テキストサイズ

密猟界

第8章 狩りの時刻

 淡いブルーの細い紐が、身体に巻きつく…人形の首元のリボンが蛇のようにうねりながら、伸びている。
 足首のリボン紐が、左右に開くと皮膚に食い込み、痛みを感じた。両足のあいだに人形が入ってくる。
 身を捩ると、裸体をリボンが絞めつけながら、巧妙な動きで受け入れる姿勢をとらす。
(…?)さらに両足が開き、自由にならない身体を、抱き人形が玩弄する。(ユノ)仰け反らした喉をもリボンが絞めあげ、開いた唇にも入ってくる。─乳首を掠める柔らかな人形の金髪、昂りを嘲笑い、冷ややかに見下すグラス・アイ。
 興奮が腰を熱く震わせ、(ユノ)孤りもがく─足掻く。やがて蝋燭が光を放ち燃え尽き、白い蝋を垂らす。抱き人形は、荒い呼吸に波打つ下腹部に座っている。
 薄く目を開く─人形が宙に浮き、じっとこちらを見下ろしていた。黒いグラス・アイに、自分が映っている…。(出してくれ)
「え…?」(ここから)
 ─指を伸ばして、人形の長い金髪をつかもうとした。(チャンミン)起き上がろうとして、鉛のような自身の体の重さ。 金の髪が頬に触れては、離れる。黒い瞳に捉えられたのか、身動きも次第にままならなく…(ユノ)身体が浮くのか、沈むのか、それもわからなくなった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ