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目を閉じた。黒いグラス・アイに見つめられるだけで、息苦しい。瞼の裏に抱き人形の残像…（出たい、チャンミン）
　「─ユノ?」ふわりと人形が舞い上がる。自身も宇宙遊泳のように、空中を舞う。
　ふわふわと宙を舞う人形を、捉えられそうで触れることも出来ない。(チャンミン)
もどかしさに唇を噛むと、抱き人形がいきなり目の前に飛んできた。黒い瞳に見据えられ、動きを封じられ─(ユノ)…ガラス玉の眼と、見つめあう。
　（チャンミン）「ユノ」ようやく、声が出た。（気をつけろ）人形の髪が、孔雀の羽根そっくりに広がった。そのまま、空中を飛んでくる。真正面からぶつかり、また向きを変えて、跳びかかってきた。
　（ユノ。…出してくれって?）金髪が長く長く伸び、首を絞め（苦しい）グラス・アイが凍るよう─（チャンミン）黒い瞳の抱き人形の…（見るな）(何を?）(人形─目…)首元に痛いほど、金の髪が巻きつく。
　指先に触れた、紐…手で引っぱると、ポシェットのなかから、小さいカードが小鳥のように飛び出した。
　─空中で受けとめる。