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密猟界

第8章 狩りの時刻

鏡のなかに自分があった。ダンスのポーズを取ってみる。そのまま踊りだした。
 ──鏡の端っこに、うつむいて床に、へたりこんだままのチャンミンが小さく、映っている。ジャンプしたときに、鏡の自分が自分でないのに気づいた。
(…?)ニヤリとしたハロウィンのカボチャのようなくち─背も低い。(トッケィビ?) 
 ユノが跳んでいないのに、鏡に映った自分似の影が跳んだ。そして、着地はせずに鏡の向こうを行ったり来たり─空中を滑るようだった。
 ユノは鏡に背を向けて、ステップを刻み始める。






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