
密猟界
第8章 狩りの時刻
(…ユノ…)荒れ野にぼんやり立ち尽くす。冷たい夕暮れの、身を切るような風が、出てきた。 辺りを見まわしていると、遠くに黒い森が、みえる。(ユノを…、ユノ連れてった鳥、あっち…?)
─強くなってきた冷風が、体を凍えさす。よろめきながら、歩き出したが、風がさらに強まり、前もよく見えなくなった…(ユノ)がさっと足が、雑草を踏んだ。目を上げると、黒々とした樹に取り囲まれている。凍る風が、背中を打つように吹く。
のろのろと夢遊病者の足どりで、黒い森のなかに入っていった。カサカサと枯れ葉の擦り合わされる音。
(え…?)自分を追い抜くように、黒い影が先を走って行く。その影が、碧色のものを追っている。
ワンピース…、碧色のワンピースの後を追って走って行く。ワンピースの肩で、セミロングの栗色の髪の毛が、跳ね、一瞬振り返った顔に、見覚えがあった。覆いつくすように迫る影。その黒いシルエットにも見覚えがあった。
ふっと香を焚く匂いがして、後ろからゴウゴウと狂ったような風が、背中に当たる。
碧いワンピースと、黒い影を追って、何かに追われるように走り出した。
─強くなってきた冷風が、体を凍えさす。よろめきながら、歩き出したが、風がさらに強まり、前もよく見えなくなった…(ユノ)がさっと足が、雑草を踏んだ。目を上げると、黒々とした樹に取り囲まれている。凍る風が、背中を打つように吹く。
のろのろと夢遊病者の足どりで、黒い森のなかに入っていった。カサカサと枯れ葉の擦り合わされる音。
(え…?)自分を追い抜くように、黒い影が先を走って行く。その影が、碧色のものを追っている。
ワンピース…、碧色のワンピースの後を追って走って行く。ワンピースの肩で、セミロングの栗色の髪の毛が、跳ね、一瞬振り返った顔に、見覚えがあった。覆いつくすように迫る影。その黒いシルエットにも見覚えがあった。
ふっと香を焚く匂いがして、後ろからゴウゴウと狂ったような風が、背中に当たる。
碧いワンピースと、黒い影を追って、何かに追われるように走り出した。
