
密猟界
第9章 死海のほとり
「イヤだ、それ急に落っこちて来て…止めてよ─」脱け殻を放ると、「この部屋…蛇ちゃんの脱衣室…」云い終わらないうちに、天井が轟音と共に砕けた。
ギラギラと、ぬめぬめと光る鱗の巨体が、ニュウと入り込んできた。
赤く、濡れた口から吐き出されたものが、石の床に落ち、ズドンと重い音を立てる。
鏡の近くまで這いずり…落雷のような音とともに、天井の奥に大蛇は消えた。
床に落ちたものは、緑のセーター…黒いロングヘア…スレンダーな腰つきの女。大蛇の粘液にまみれ、形のいい脚は、半分溶けていた。
「─ぎゃあっ」ヒステリックにチャンミンが叫んだ。老人のように腰を屈めたユノが、恐る恐る、女の屍体に近づく。「ぎゃっあ!」叫び声は止まない。「チャンミン。ヒステリー…オステリーか? ─黙れ」石に女の血液と大蛇の粘液が、混じり合って、染み込んでいく。
「蛇ちゃんが、吐き出した…よっぽど不味いんだろう」口をトレーナーの袖で押さえ、ユノの背中越しに屍となった女を覗いた。
「アッ…僕この女─」首をねじ曲げ、「お前の知ってる女? …」いきなり起き上がった女が、ふたりに襲いかかった。
ギラギラと、ぬめぬめと光る鱗の巨体が、ニュウと入り込んできた。
赤く、濡れた口から吐き出されたものが、石の床に落ち、ズドンと重い音を立てる。
鏡の近くまで這いずり…落雷のような音とともに、天井の奥に大蛇は消えた。
床に落ちたものは、緑のセーター…黒いロングヘア…スレンダーな腰つきの女。大蛇の粘液にまみれ、形のいい脚は、半分溶けていた。
「─ぎゃあっ」ヒステリックにチャンミンが叫んだ。老人のように腰を屈めたユノが、恐る恐る、女の屍体に近づく。「ぎゃっあ!」叫び声は止まない。「チャンミン。ヒステリー…オステリーか? ─黙れ」石に女の血液と大蛇の粘液が、混じり合って、染み込んでいく。
「蛇ちゃんが、吐き出した…よっぽど不味いんだろう」口をトレーナーの袖で押さえ、ユノの背中越しに屍となった女を覗いた。
「アッ…僕この女─」首をねじ曲げ、「お前の知ってる女? …」いきなり起き上がった女が、ふたりに襲いかかった。
