
密猟界
第4章 闇の中の謝肉祭(カーニバル)
「いいんですか、本当に」「平気だよ…」体をユノは起こし、ふたりはベッドの上で向かい合う。シーツの上にそっと、腰を下ろしたチャンミンが、ユノの髪を頬から指先で梳いた。
ユノは睫毛を細かく震わせ、目を伏せる。「ここ…痣…になってる─」 生乾きの金の髪のチャンミンが、ユノの頬に指を軽く触れさせながら、ひとりごとのように、呟いた。
「そう─? 平気だ…よ」「誰かにぶたれたみたいな痕─」チャンミンはそこを、そっと、指先で撫でる。
「服─持ってきてくれる?」自分の頬に触れ続けているチャンミンの手を、柔らかくユノは包みながら、云った。
「服─着るんですか?」「裸でいるわけには、いかないだろ…う」シーツをはね除ける。筋肉が引き締める身体で、大きくユノは伸びをした。
チャンミンは、すぐ部屋を出て行った。
──手にした服を黙って、ユノの膝に、置く。 「これ…?」パステル色の小さな黄いろい花束が、布地に舞い散っている。「─女の子の服じゃないか」「ユノの服まだ乾いてないんですよ」チャンミンは洋服をベッドに広げる。「可愛いでしょう? ワンピース…」ユノは毛布に肘をつき、髪の毛を掻き上げ、チラリと服に目をやった。
ユノは睫毛を細かく震わせ、目を伏せる。「ここ…痣…になってる─」 生乾きの金の髪のチャンミンが、ユノの頬に指を軽く触れさせながら、ひとりごとのように、呟いた。
「そう─? 平気だ…よ」「誰かにぶたれたみたいな痕─」チャンミンはそこを、そっと、指先で撫でる。
「服─持ってきてくれる?」自分の頬に触れ続けているチャンミンの手を、柔らかくユノは包みながら、云った。
「服─着るんですか?」「裸でいるわけには、いかないだろ…う」シーツをはね除ける。筋肉が引き締める身体で、大きくユノは伸びをした。
チャンミンは、すぐ部屋を出て行った。
──手にした服を黙って、ユノの膝に、置く。 「これ…?」パステル色の小さな黄いろい花束が、布地に舞い散っている。「─女の子の服じゃないか」「ユノの服まだ乾いてないんですよ」チャンミンは洋服をベッドに広げる。「可愛いでしょう? ワンピース…」ユノは毛布に肘をつき、髪の毛を掻き上げ、チラリと服に目をやった。
