
密猟界
第6章 闇の中の謝肉祭(カーニバル)Ⅱ
「お前には─、愛してるからさ」「…好きな人には誰でも、優しいですよね」「あ、…うん─」
チャンミンの胸に凭れるユノ。「…またユノ…、気分でも─」「悪くない」花火のように鮮やかな色彩のドレスに囲まれ語り合う、ふたりは楽園の年若い守護神を思わせた。
「チャンミン」「はい」ユノは整った横顔を見て、「お前といるのがいちばん良い」「そうですか?」「うん。─うるさくない。面倒もない」「はい」黒真珠の光りの瞳はユノを見詰め、唇が紅らむ。
「うっとしい…女は」「─ですか?」ため息をしてユノは、「だって…、指輪だ、食事だ、愛情だ、約束だ、プレゼントだ、ドライブだ、将来だ、記念日だ、デートだ─ああしろこうしろ、うるさいったらない。そのくせ、俺の夢を壊す」脇を向いて、軽く舌打ちしたユノに、口元に微笑いを浮かべて、チャンミンは「ユノ。お言葉を返すようですが─」「…うん? …」きょとんとして、ユノがチャンミンを、見る。「そんなろくでもない女なんかに、壊される夢。小さいですね」「そうか…、そうかもな」ユノは黙って、考え込むふうで─そのユノの物思いに沈む横顔を、楽しげに眺めるチャンミン…。
チャンミンの胸に凭れるユノ。「…またユノ…、気分でも─」「悪くない」花火のように鮮やかな色彩のドレスに囲まれ語り合う、ふたりは楽園の年若い守護神を思わせた。
「チャンミン」「はい」ユノは整った横顔を見て、「お前といるのがいちばん良い」「そうですか?」「うん。─うるさくない。面倒もない」「はい」黒真珠の光りの瞳はユノを見詰め、唇が紅らむ。
「うっとしい…女は」「─ですか?」ため息をしてユノは、「だって…、指輪だ、食事だ、愛情だ、約束だ、プレゼントだ、ドライブだ、将来だ、記念日だ、デートだ─ああしろこうしろ、うるさいったらない。そのくせ、俺の夢を壊す」脇を向いて、軽く舌打ちしたユノに、口元に微笑いを浮かべて、チャンミンは「ユノ。お言葉を返すようですが─」「…うん? …」きょとんとして、ユノがチャンミンを、見る。「そんなろくでもない女なんかに、壊される夢。小さいですね」「そうか…、そうかもな」ユノは黙って、考え込むふうで─そのユノの物思いに沈む横顔を、楽しげに眺めるチャンミン…。
