無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「チャンミン」「はい」ユノはパイプ椅子から立ち上がり、キチネットに歩み寄った。
握手をするふたり。　
　─金の環が、ユノの手首できらめく。
「これで俺は自由の身」「お祝いしましょう。ユノ」椅子をひき、グラスに炎の赤の発泡酒をチャンミンは注いだ。



　「自分で食べられる。良いね─」パスタを、頬ばる。「…お腹すきましたよね」チャンミンが、グラスをユノのそれとカチリと合わせ、飲み干す─ユノが微笑む…。
　「けっこう強いね。これ…」グラスを手にして、眺めやる。「悪酔いしないでユノ─」柔らかい表情に、チャンミンがなる。
　自分のグラスに赤い酒を注ぎ、「さっきの小説の話ですけど─」「…うん?」ユノは楽しげにチャンミンに笑いかけ「─なに…?」やわらかく、云う…。
　「海に持っていったお弁当…中身なんですか」「サンドイッチ。とちゅう、リカーショップでワイン買って─そこも良いんだよ」「ワインも、紅?」
　温野菜をひとくち…ユノが首を傾げ、「安く買った、小瓶のワイン2本だった─と思う」「このサラダもワイン入れたんですよ」「サラダで酔うな、俺。美味い」チャンミンが満足そうに温野菜に、フォークをたてる。