
密猟界
第1章 雨の中,傘のなか。
「ロザリオが壁に架かってました、教会だったんでしょうか」「神様の空き家か、お邪魔しようよ…」「隣に引っ越したんでしょう。新しい教会が見えました、ユノ。お邪魔はそこにしましょうよ」雨傘をステッキ代わりにしてユノは、立ち上がった。開いた雨傘をチャンミンが、取り上げた。また風が鳴る。
──水車小屋の前を二人が過ぎる時、後ろから風が強く、吹いた。「教会のドアなら、開いてるでしょう」行く手に、レモンいろがかった、クリームの色合いの壁の家が見えた。
二人が抱き合うようにして、そこへ歩みを進めると、パラパラと雨が肩を叩いた。屋根の十字架だけが教会らしく、濃い灰の屋根も緩やかな線で、平凡な市民一家族の暮らす家のような作りだった。
「─!!」罵声と乱暴にドアが開く荒々しい音と共に、ふたつの人影が激しい雨のなか、泥水の小さな水溜まりがあちこちにある道に、突飛ばされたように転がる。
「─!」また罵声が雨に濡れ、泥をつけたふたつの影に飛ぶ。「どうしたんです」チャンミンが声を掛けながら、二人に歩み寄る…「大丈夫なんですか」
──水車小屋の前を二人が過ぎる時、後ろから風が強く、吹いた。「教会のドアなら、開いてるでしょう」行く手に、レモンいろがかった、クリームの色合いの壁の家が見えた。
二人が抱き合うようにして、そこへ歩みを進めると、パラパラと雨が肩を叩いた。屋根の十字架だけが教会らしく、濃い灰の屋根も緩やかな線で、平凡な市民一家族の暮らす家のような作りだった。
「─!!」罵声と乱暴にドアが開く荒々しい音と共に、ふたつの人影が激しい雨のなか、泥水の小さな水溜まりがあちこちにある道に、突飛ばされたように転がる。
「─!」また罵声が雨に濡れ、泥をつけたふたつの影に飛ぶ。「どうしたんです」チャンミンが声を掛けながら、二人に歩み寄る…「大丈夫なんですか」
