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腐男子恋愛日常-parallel world-

第10章 ~歩の嘘~

真の両手の力が、少しずつ弱まっていく。

「兄さんと、女性と結婚するなら素直に祝福して諦めが
ついたけど…ゲホッ…ぐぅ…!
ハァ…ハァ…研磨さんと恋人同士になって、自分が今まで押し殺してきた気持ちが…ゴホッ…。」

真の両手が、僕の両腕から離れて床についた。

「暴走して……焦ったんだろうな…ゴホッ…。
自分でも制御出来なくて……それで、兄さんに取り返しのつかない事を…ゲホッ…ぐッ…ハァ…ハァ…。」

「真、もう良いよ…。
これからは、ずっと真のそばにいるから…。」

「えっ…?」

僕は、真の両手を掴んでそのまま握る。

「今も、これからもずっと真のそばにいるよ…。
ただ、僕にはまだやる事があるから…。」

僕は、台所の方へ視線を向ける。

真も、台所へと視線を向けた。

「真、悪いけど…。
先に逝って、僕が逝ったら出迎えてほしいな…。」

「ゲホッ…駄目だ、兄さんには研磨さんが…!」

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