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カラダからはじまった愛は

第1章 転勤

 それから2,3日後、給湯室で洗い物をしていた時、彼が食器を下げてきた。少し後ろの壁にもたれた私は、彼の後ろ姿におもわずこう口にしていた。

 「白井さんは 私の癒やしだから. . .」
 
彼はゆっくり振り向いて
驚いたような困ったような表情で私を見た。

 「あっ なんでもないです!」

自分でも
どうしてそんなこと言っちゃったの、
と 少女のように恥ずかしくなって
慌てて受付に戻った。

 何も求めてない
 何もはじまらない

 ただ 会えなくなるだけ

自分にそういいきかせていた。

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