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知らない世界

第10章 やきもちからの・・・

開店前、携帯をベッドに放り投げ、店の手伝いに行った。
ほとんど毎日手伝いをしているから、ちょっとしたものならつくれるようになった。
準備の手伝いが終わると洗い物、そしてテーブルを拭いたり、手際よくこなしている。
テーブルを拭いていると、勢いよく店のドアが開いた


「すみません、まだ開店前なんです・・・あっ!
あなたはかずのところの・・・」

「お久しぶりです。
若とうちの連中がちょこちょこお世話になっているようで・・・」


勢いよく開いたドアの音に驚き、振り返ると入り口に櫻井さんが立っていた。
何分か前に電話をきったばかりなのに・・・
テーブルを拭く手が止まる。


「どうされたんですか?
そんなにも慌てて・・・」

「あの、すみませんが・・・ハァ・ハァ・・・
1時間くらい、潤をお借りしてもいいですか?
忙しくなるまでにはお送りしますので・・・」

「用は何ですか?」

「潤で役に立つのなら・・・店のほうは大丈夫ですので」

「ありがとうございます。
できるだけ早めに、無事お送りします。
潤、来て・・・」


店を手伝うときのエプロンとバンダナを着けたまま、拉致られる勢いで店から車に乗せられた。


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