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知らない世界

第10章 やきもちからの・・・

エレベーターが止まりドアが開くと、今度は俺の手を掴むことなく、一人で部屋にむかった。


ーこのまま一階のボタンを押して帰ろう・・・ー


・・・と思ったものの、俺は素直に部屋についていった。
ドアを開けてもらい、先に中に入る。
いつものように・・・と言っても今日で3回目のソファに座る。
冷蔵庫の開く音がしたから、櫻井さんはキッチンにいるようだ。


ープシュッ!・・・カンッ!ー


そんな音が聞こえると、上着を脱ぎすて、ネクタイを外しながら固い表情のまま、俺に近づいてきた。


ーどうしよう・・・殴られる・・・ー


怖い顔で迫ってくる翔さん。
あまりの迫力に、ソファに座ったまま後ずさりする俺。
正直俺、軽く腰抜けてる。
そんな俺の隣にドサッと座る櫻井さん。


「なっ、何?何ですか?
どうしたんですか?俺、何かしました?」


しばらく俺をじっと見つめる。
この人に見つめられると、どんな状況でも心拍数はどんどん上がっていく。


「何か俺、しましたか?
したのなら謝りますから、ちゃんと言ってください」

「お前また・・・」

「えっ?なっ、何ですか?」

「お前、またヤキモチやいたよな」

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