無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

転校早々、あいつはクラスの連中に声をかけていた。
うつむいたやつらばかり。
肩を叩き、何を話しているのか耳元でコソコソと話している。


「おい、あいつに何を言われたんだ？」

「あっ、別に・・・何でも・・・」

「何かはわからないけど、脅しになんてのるんじゃないぞ」

「うっ、うん・・・わかったよ」


俺はあいつに声をかけられたやつに、声をかけた。
でもなぜかみんな、気弱な返事だった。

念のために雅紀にも忠告しておくか・・・
まぁ、あいつは何でも話してくるから、何かあったら言ってくるだろう。

嫌な予感は、早々と的中した。
校庭の倉庫横で他のクラスのやつとあいつがいるをの見つけた。


「おいっ、何してんだ！」　


何かをポケットにしまった。


「いや別に。
ちょっと話してただけだよ・・・なっ！」

「・・・」


黙って下を向いたまま走っていった。


「正義の味方ってか？カッコいいね」

「てめぇ、いい加減にしろよ」

「だから、何もしてねぇって。
言いがかりもいいとこだよ。
人の事もいいけど、自分の身も心配した方がいいんじゃねぇ？」


カバンを持ち、帰っていった。
俺は手をギュッと握った。