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知らない世界

第17章 寂しい夜

グラスをテーブルに置いた。


「何でそんなこと聞くんだ?
俺、店に来て迷惑だったか?」

「そんな全然迷惑じゃないですよ。
ただ、詳しくはわかりませんけど組、何か大変なことになってるんでしょ?」

「えっ・・・何でそれを」

「しょ、櫻井さんが言ってましたよ。
組の回りがざわついてるって。
だから学校以外でかずと会ったりするのは控えてくれって。何かあったらいけないから、組の人達も、うちの店に来るのを控えさせるって言ってたから・・・」

「兄貴がお前にそんなことを・・・
お前、兄貴と連絡取り合ったりしてるのか?」


ビールをグラスに注いだ。


「・・・!!
かずの事でよく連絡してきたりしますよ。
あの人かずのお世話役なんですよね?」

「そうだけど、それでどうしてお前に組の事情を話したりしたんだろう?」

「そっ、それは・・・
俺達よくつるんで遊んでいるから、急に付き合いが悪くなったって誤解しないようにじゃないかな?よくわかんないけど、俺達に被害が及ばないようにとか」

「そういうことか。
俺、何にも考えてなかったよ。
ただお前の顔が見たくて・・・」

「俺達はあなた方が言うかたぎの人間ですから、被害が及ぶなんて事はないと思いますよ」



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