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知らない世界

第18章 会いたくて

女から離れた。


「話は聞きたくないの?」

「ろくな話じゃないんだろ?」


背中から抱きついてきた。


「私の事、抱いてくれたらおしえてあげる」


回された手を振りほどき、ソファーの上の女の服を掴んだ。


「答えはこうだ。
話は聞く気はない・・・てか聞きたくもない。
だからお前の事を抱く気もねぇっ!」


掴んだ服を女に投げつけた。


「私に恥をかかせて、ただではすまないわよ」

「ただではすまないだと?
上等だコラァ!とっとと出ていきやがれ!」


煙草に火をつけ、ベランダに出た。


「おぼえてなさい!」


女は慌てて服を着て、捨て台詞を言って出ていった。


「ふぅ・・・」


煙草のけむりを深呼吸するように深く吸い込み、ゆっくりと吐き出した。


「潤・・・」


マンションの下を歩く小さな人影の中に、いるはずのない潤の姿を探した。
あいつは女との事を疑っているだろう。
俺に対しても不信感を覚えたかもしれない。

部屋に入り、キッチンへ行き冷蔵庫からビールを出した。
ふたを開け一気に飲んだ。


「はぁ・・・」


リビングに戻ろうとしたとき、キッチンの隅にある潤のエプロンが目に入った。


「会いたい・・・」

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