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知らない世界

第20章 いわゆるカチコミ

「ちょっと待ちなさいよ・・・あっ、蓮」


路地から出てきた女とこの男は、知り合いのようだ。


「おぉ、マキ・・・探してたんだ。
ってか、お前このガキと知り合いか?」

「いやっ、その・・・さっきそこでぶつかってきて・・・」

「何だお前、俺の女にもぶつかって、詫びもいれてねぇのかよ」

「ふ~ん・・・この尻軽女、あんたの女なんだ」

「人の女を尻軽呼ばわりするなんてお前、ヤ○ザいい度胸してんじゃねえか」

「あんたヤ○ザなんだ・・・
でも俺みたいなガキなんか知ってるってなんて、ヤ○ザでも末端なんだろうな」

「なんだとテメェ・・・」


俺の襟元を強く掴み、締め付ける。


「あっ、あんたもしかして、かずの組の回りで騒ぎを起こしてる連中だってりして?」

「・・・!!」

「あれれ、顔色が変わったな。図星か?」

「このガキ、黙りやがれ!」

「うっ!」


襟元を掴まれたまま膝で腹を蹴られた。


「オラオラ、立てよクソガキ」


腹を押さえうずくまると、肩を掴まれ無理矢理立ち上がらせた。


「何だ何だ口だけか、口だけなのかテメェは」


拳が勢いよく近付いてくる。


「ヤバイ!」


がら空きのこいつの腹を、一発思い切り殴った。




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