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知らない世界

第20章 いわゆるカチコミ

「あれは痛いぞ。
しばらくは動けないだろうな」


後ろ手に縛られたまま、階段を駆けおりた。


「何とか雅紀のところまで行って、これをはずしてもらおう・・・わぁっ!?」

「お前、どうやって逃げたしたんだ?」


俺の作戦はあっけなく終わってしまった。
もう一人の男に事務所前で捕まり、事務所へ逆戻り。
階段を上がると、ドアの前で股間を押さえ、苦しそうにしている男が立っていた。


「おい、お前何やってるんだ!
このガキが逃げ出してきてたじゃねぇか」

「このガキが、このガキが俺を・・・」

「縛り上げてるガキ相手に何してるんだよ。
・・・ってかお前、何で裸?
しかもズボンも脱げそうになってるぞ」

「そっ、それは・・・」

「ふんっ・・・」


焦っている男を見て、俺は鼻で笑った。


「このクソガキ、なめやがって!」


さっきまで座らされていたソファーに、投げ飛ばされた。


「イテェなコノヤロウ!」

「まだなめた態度とりやがるのか!」

「おいっ、その辺でやめとけ。
何かあったら、連れてきた意味なくなるだろ?」

「そっ、そうだけど・・・」

「ビール買ってきたから、飲もうぜ」



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