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知らない世界

第21章 人質?

車に戻ると携帯が鳴っていた。
若からだ。


『もしもし櫻井です』

『もしもし櫻井、今他のクラスのやつに聞いたんだけど、昨日の夜、繁華街を潤が一人であるいていたらしいんだ』

『一人で・・・ですか?』

『うん。何か周りを気にしながら、腹をおさえて前屈みで歩いていたらしい』

『腹をおさえながら、前屈みに?』

『あっ、あっ、櫻井ちょっと待って・・・』


んっ?どうしてんだ?


『おい櫻井、雅紀が聞いた話だと、潤に似たやつが、ヤ○ザっぽい連中に車に押し込まれて、どこか連れていかれたらしい』

『どこの誰かはわからないんですか?』

『わかるわけねぇだろ!
その辺りから調べてもらえねぇか?』

『わかりました。今から向かいます』


車に乗り込んだ。


「潤が昨日、繁華街にいたらしいんだ。
今から向かうぞ・・・おい大野、どうした?」

「兄貴、1つ聞いてもいいですか?」

「何だよ、急ぎか?」

「兄貴、これわかります?」

「お前・・・なっ、何でお前が・・・」

「兄貴もこんなの、持ってますよね」

「・・・!!」


大野がポケットから出したのは、俺のキーホルダーがついている家の鍵だった。








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