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知らない世界

第21章 人質?

「お前その鍵、どうしたんだ?」

「これ、兄貴の名前ですよね。
兄貴の持っているのが潤の名前です・・・」

「だからお前、それどこにあったんだ?」

「ポストの中です。実は昨日、店が休みだと言うこと知らずに来たんです。
その時ちょうど帰ってきた潤に会って、ビールを飲ませてもらったんです」

「帰ってきたって?」

「潤、すごく元気なくて、まるで失恋でもしたかのような落ち込みかたでした」

「失・・・恋?」

「あいつの悩みならと、話を聞こうとしたんです。
そうしたら潤が俺に変なこと聞いてきたです」

「変なことって?」

「俺のこと、まだ好きかって。
まだ惚れているかって。だから俺・・・」

「大野、まさかお前も・・・」

「はい、惚れてますよ。フラれましたけど。
惚れてるって、簡単に諦められないって答えました。そうしたらあいつ・・・」

「どうしたんだ?」

「惚れてるなら・・・抱いてもいいって」

「・・・っでお前・・・どう・・・した?」

「抱きました」

「お・ま・え・・・」


怒りがこみあげてきた。


「あんな姿を見たら、支えてやりたいって思うのは、惚れてたら当然じゃないですか」

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