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知らない世界

第21章 人質?

普段は生意気で素直じゃないクソガキ。
そこまで俺は潤を追い込んでいたのか?


「でも抱いていても、あいつの中には兄貴しかいないんです。
あいつの体は、兄貴しか受け付けないんです」

「潤・・・」

「何があったんですか?
惚れてもいない男に、抱いてくれって言わせるほど何があったんですか?」

「それは・・・」


また携帯が鳴った。
事務所からだった。


『もしもし兄貴、すぐ事務所に戻ってきてください』

『どうしたんだ?』

『名張組から電話があって、兄貴に話がしたいって。うちの若いヤツの事だって言ってました』

『若いヤツの事?わかった、今から帰る。
一応組のもん、みんな連夜取って、所在だけ確認しておけ』

『わかりました』

「事務所に戻ってくれ」

「どうしたんですか?」

「名張んとこから、若いもんのことで俺に話があるって」


車を走らせた。


「みんなの所在を確認させているけど・・・」

「兄貴、まさかそれって・・・」

「若の同級生が、潤に似たヤツがヤクザっぽい連中に、無理矢理車に乗せられたのを見たって言ってたな」

「とにかく、早く事務所に戻りましょう」

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