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知らない世界

第22章 解放

ドスを手に、俺に向かってきた。
昨日男だった。
その手を掴むと、そのまま壁に叩きつけられた。


「バカヤロ!何であいつの言う通り逃げなかったんだ?」

「あんた、何で俺を助けようとしたんだ?
ひどいことしたのに・・・」

「自分でもわかんねぇよ。
とにかくそのドアから、上手いこと出してやるから逃げろ!」


押し返し、今度はこの男を壁に押し付けた。


「嫌だね。
あんたこそこんなことがバレたら、ただではすまないだろ?」

「俺はいいんだよ・・・あっ!」


男は俺にやられた振りをして、俺と共に床に倒れた。
一人が俺に襲いかかり、もう少しで刺されるところだった。


「あんた・・・昨日は悪かった・・・」

「・・・!!お前・・・」

「あんたも早く逃げな」


誰にもわからないように、軽くキスをして男から離れた。
俺を襲おうとした男を後ろから肩を掴んだ。


「あ"ぁぁぁっ!」


振り向きざまに、ドスで右肩から胸を切られた。
思わず肩を押さえ、倒れ込んだ。


「このクソガキ!」

「腹ががら空きだ!」


倒れ込む俺に襲いかかる男の腹を、思い切り蹴りあげた。
男はよろめき、後ろに倒れた。
俺はその隙に立ち上がった。

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