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これがヤ○ザの喧嘩なのか？
これは喧嘩じゃない、やるかやられるかだ。
翔さんも大野さんもどうして素手でなんだ？
今更ながら疑問に思った。
そんな俺にまた襲いかかってくる。
手にしていたロープは、さっき男ともみ合ってる間に落としてしまった。
今は全くの素手。
必死に相手の腕を掴み、肩と胸の痛みをこらえ、相手からドスを奪い取った。


・・・パーンッ！・・・


銃声に驚き振り返ると、翔さんが倒れ込んだ。


「翔さん！」


翔さんが撃たれ、背中も血まみれになっていた。
もしかして俺をかばうため？


「翔さん！・・・翔さん！」


俺は翔さんの体を揺すり、声をかけた。


「潤、大丈夫・・・か？」

「俺は大丈夫だよ」

「そっか・・・よかった・・・うぅぅぅぅ！」

「翔さん！」


相手に囲まれ、これで最後と思ったその時、パトカーのサイレンが聞こえてきた。
近所の人が通報したらしい。


「ヤバい！みんなずらかれ！」

「おいっ、こっちから逃げろ・・・早くっ！」


例の男が慌ただしくなってるなか、俺に声をかけてきた。
俺は言う通り翔さんを抱え、若い人の運転で組を間一髪で逃げ出した。


「医者へ・・・先生のところへ行ってください」