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知らない世界

第25章 かずのお父さん

どこからくるテンションなのか、かずは嬉しそうに話しかけてくる。
しばらく俺達と遊べなかったストレスが、爆発は大袈裟だけど、したくらいのテンション。


「それでさぁ潤・・・」


助手席に座っている大野さんが気になって、一昨日の事が気になって、かずの話が全然耳に入ってこない。


「ねぇ潤、聞いてる?」

「あっ、ごめん」

「どうしたんだよ。
・・・あっ、もしかして緊張してきたとか?」

「えっ?あぁ、まぁそんなところかな」

「大暴れしたお前からは緊張なんて、想像がつかないよ」

「俺だって緊張するよ」


緊張しているわけではない。
どうかしていたとはいえ、大野さんに抱かれたわけで・・・
謝るべきか、このまま黙っているべきか。
ただ翔さんとの事は、もうバレているわけで、俺はどういう態度をとるのが正解なんだろうか。


「おい潤、着いたよ」


頭がパニックの状態で、かずの家に到着した。


「あぁ、うん・・・」


ドアを開けてもらい、車を降りた。
かずに付いて玄関に向かう途中、俺は立ち止まり振り返った。


「あのぉ・・・ごめんなさい」

「俺の方こそ悪かったな」


怒っているわけでもなく、優しく微笑んでくれた。

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