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知らない世界

第25章 かずのお父さん

「あのとき俺・・・」

「何があったかは知らない、あえて聞かない。
ただお前の相手が兄貴だってわかって、正直驚いたよ。
兄貴が相手なら、もう諦めるしかないよ」

「大野さん・・・
どう言ったら正解かわからないけど、今の俺はごめんなさいしか言えなくて」

「俺なら大丈夫。
でも兄貴以外にお前の事を思っているやつが、ここにもいるってことだけわかってくれよな」

「ありがとうございます」


大野さんに対して、やっと笑顔になれた。


「もし兄貴とケンカしたら、いつでも俺の所に来いよ。
俺はいつでもお前を両手広げて待っているから」

「多分しないと思うけど、そのときはよろしく」

「仲がよろしいことで・・・」

「おい潤!何してんだ?早く来いよ」

「おぉ、今行くよ」

「俺が迎えに行くことを兄貴は知っているから、あまり遅くなるとやきもちやくかもな」

「そんなこと翔さんはしないよ」

「そうかな?お前が知らないだけ。
俺がお前に惚れてるって知ったときの顔、見せたかったな・・・どう嬉しかったりして?」

「べっ、別に嬉しいとかねぇし」

「お前は素直じゃないね。
まぁ、そう言うところが可愛いんだけどな」






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