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知らない世界

第25章 かずのお父さん

笑いながら中に入っていくと、翔さんが本当にちょっと怖い顔で待っていた。


「あっ、兄貴すみません」

「早くしろ。
部屋で親父さんと若がお待ちだ」

「ごめんなさい」


翔さん超怖い顔してるんですけど。
大野さんが言う、見せたかった顔ってこの事か?
こんな顔、腰が抜けそうになるから見たくないよ。
翔さんについて通された部屋。
大きなソファーにかずとかずのお父さん、組長さんが座っていた。


「こっ、こんにちは・・・はじめ・・・まして。
俺・・・僕、かずと同じグラスの・・・」

「松本君だね。座りなさい」

「あっ、はっ、はい・・・失礼します」


ソファーに座ると、緊張している俺を見て、かずと翔さんがクスクス笑った。


「おい2人共、何がおかしいんだ?」

「あっ、すみません」

「いつもの潤から想像できないくらい、超緊張してるからさ」

「2人共、彼に失礼だぞ。
ところで松本君、傷のほうは大丈夫か?」

「はい、ありがとうございます、大丈夫です」

「息子の仲のいい友達にもしもの事があったら、家の方に申し訳ないからな」

「お袋は今、友達と旅行に行ってるので大丈夫です」


思っていたより、普通にお父さんだ。

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