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知らない世界

第25章 かずのお父さん

「息子と会うのにうちに来るのはわかるけど、うちの組のもんの家に出入りしてるって、つながりがわからないな」

「あの・・・ケガしたときに・・・えっと・・・
介抱してもらって・・・」

「櫻井が呼び出していたその女に、マンションで会うってことは、松本君は頻繁に行かないと会わないわけだよね」

「そっ、それは若がケンカをしなくなって、潤や友達とその・・・学校の様子とか聞きたくて、自分がマンションに呼んだりしてたんで・・・」


かずのお父さんは、黙って俺達を見つめた。
ヤバい!
この沈黙、気付かれたかも。


「櫻井!」

「あっ、はい」

「だから和也に聞かせたくなかったんだな」

「えっ?・・・あぁ、はいそうです」

「電話で済まないこともあるだろうけど、彼が肩身の狭い思いをしないように、気を付けなさい」

「はい、わかりました」

「はい」

「それでは話はこれでおしまいだ。
松本君、今日はゆっくりできるのか?」

「はい、来週までお袋は旅行に行ってるので」

「じゃあ、今日はうちで夕飯食べていきなさい」

「ありがとうございます。失礼します」


部屋を出た俺達はホッと胸を撫で下ろした。



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