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知らない世界

第25章 かずのお父さん

物陰から人がふらふらと近付いてきた。


「んっ?」

「どうした、潤?」


俺が見ている方に、かずも目を向けた。
こちらにむかって近付いてきた男が胸元から、何かを出して俺達の方へむけた。


「あぶないっ!」


とっさにかずをかばうと、銃声が響いた。


「う"っ・・・」


何発か撃ってきた一発が、俺の肩をかすめた。
よく見たらもう一人いた。
翔さんはかずのお父さんをかばい、家の中まで連れていった。
しばらく車の陰に隠れていると、弾がなくなったのか、ピストルを投げ捨て、後ろからドスを取り出し向かってきた。


「コノヤロー!」


その男に向かっていくかずの顔は、初めて会ったときの、ケンカをしていたあの顔になっていた。
俺はかずを守らなくてはと言う衝動にかられ、もう一人の男に向かっていった。


「若!」

「潤!」


大野さんと若い人達が俺達の名前を叫んだ。
俺達2人はドスを振り回す男の腕を掴み、応戦した。


「おいっ、若と潤は?」

「2人は・・・」

「・・・!!」


男からドスを奪い取り、遠くに投げ捨てた。
数発殴り、取り押さえた。


「かず」

「潤」


顔を見合せ、ハイタッチをした。



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