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知らない世界

第28章 初めての合コン

「あのさぁ、もしよかったら付き合って欲しいな」

「付き合うって・・・どこに?」

「いや、そうじゃなくて、私と付き合ってもらえないかなぁって、彼氏になってもらえないかなぁって」


腕を絡め、体を押し付けてきた。
俺は黙って立ち上がった。


「どうしたの?」

「もう遅いから駅まで送るよ」

「えっ?まだ時間は大丈夫・・・」

「女の子があまり遅くなっちゃ危ないよ」

「うん・・・」


そのあと何も話さず、黙って駅まで送って行った。


「それじゃ気をつけて帰れよ」

「あの松本君、さっきの返事は?」

「んっ?・・・あぁ、返事ね。
ごめん、申し訳無いけど断るよ」

「もしかして他の子がよかったとか?」

「そうじゃないよ。
なんと言うか、今はそういう気分じゃないんだ」

「もしかして彼女がいるとか?」

「ちげぇよ。
あいつらには言ってないけど俺、好きな人がいるんだ。ごめんね」

「あっそう・・・何だ、つまんない。
じゃあね」


彼女はさっさと駅の改札へ行ってしまった。


「何だあいつ・・・ふ~寒い、早く帰ろ」


ポケットに手を入れ、背中を丸めて歩きだした。








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