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知らない世界

第28章 初めての合コン

「ゴホッゴホッ・・・ゴホッ・・・」


むせこみ咳をする翔さん。


「大丈夫、翔さん」

「おぉ、大丈夫大丈夫・・・ふぅ」

「マンションとも反対方向だし、何かこっちに用でもあったの?」

「おっ、おぉ・・・まぁな」


何か様子がおかしいぞ。


「翔さん、何か嘘ついてるでしょ?」

「嘘なんて・・・ついてねぇよ」

「あやしい・・・あっ、わかった!
もしかして翔さん・・・」

「なっ、何だよ」


運転している翔さんの顔を、横からじっと見つめた。


「翔さんもしかして・・・
かすのことが心配で付いて来たんでしょ?」

「・・・えっ!?」

「もうさ、かずも翔さんが思っているほど子供じゃないし、昔みたいに喧嘩なんかしたりしないよ。俺もちゃんと最初にくぎさしといたしさ」

「うん、まぁそうだな・・・」


でも・・・何かおかしくないか?


「なぁ、場所と時間はどうしてわかったんだよ」

「若に・・・聞いた。
もしもの事があったらいけないだろ?」

「携帯持ってるだろ?」

「それも・・・そうだな」


やっぱ何か様子がおかしいな。


「でもそんなに心配なら、何でかずのあと付いて行かなかったんだよ」

「それは・・・」







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