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知らない世界

第29章 見えない恐怖

回りにある木が、マンションの明かりや通りすぎる車のライトとかで、人に見えただけだろう。


「毎日学校行って、こんな夜遅くまでバイトして疲れてんじゃねぇか?」

「学校から帰ってきて、店の手伝いしてきたんだから、それは今までと変わらない。そんなことで疲れるなんてないよ」

「今までは自分の家だろ?
気は使ってるんだよ、知らないあいだに。
ちょっとバイト休んだらどうだ?」

「大丈夫だよ。家賃位は自分で稼がないと。
それに車の免許もとりにいきたいし」

「それくらい俺が出してやるよ」

「いいよ、自分で何とかするよ」

「たまには俺に頼ってこいよ」

「翔さんといられるだけで俺はいいんだ」

「お前、珍しく素直じゃねぇか。
いつもそうやって素直でいてくれるといいんだけどな」

「うるせぇ!
俺やっぱ疲れてるのかな?」

「意地張ってるだけなんだよ。
いつも今みたいに素直になればいいんだよ」

「意地なんで張ってねぇよ。
さぁ、出るぞ・・・あっ、何だよ」

「今日は我慢しようと思ったけど、お前の素直な気持ちを聞いたら、我慢できなくなった」

「疲れてるんじゃないかって心配するなら、我慢しろよ・・・あっ・・・待って・・・あんっ」


そのあと俺の喘ぎが風呂場に響いた。

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