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知らない世界

第29章 見えない恐怖

ベッドから起き上がり、携帯を手にした。
電話したら心配して無理して帰るなんて言うかもしれない。


「あっ、そうだ!」


アドレスから大野さんを出した。


「やっぱ・・・やめよ」


かけるのをやめた。
とりあえず大将にかけて、しばらくバイトを休ませてもらおう。


『もしもし、潤です』

『おぉ、こんな時間にどうした?』

『すみませんが、しばらくお休みさせてもらってもいいですか?』

『お休みって・・・何かあったのか?』

『いえ、別に・・・』

『・・・今どこにいる?』

『家です』

『わかった。出掛ける予定は?』

『ないです』

『わかった・・・待ってろ』


そう言うと一方的に電話を切られた。
待ってろってどういう意味だ?
携帯をテーブルに置こうとしたとい、LINEが届いた。


「あっ、翔さんだ!」


嬉しくて、急いで開いた。


『潤、元気か?
電話をかけようと思ったけど、声を聞くと会いたくなるからLINEにした。
週末帰ったら、腰が立たないくらい可愛がってやるから、それまで我慢しろ』


週末に帰るって、土曜日だよな。
朝なの?昼なの?夜なの?
今日はまだ、木曜日。




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