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知らない世界

第4章 仲直り

「兄貴には今出掛けてていないけど、用があるなら中で待つか?」

「いやっ、いいです。急ぎの用じゃないんで」


いやいや、中で待つなんてあいつと絶対に顔を合わせるじゃねぇか。
ムリムリそんなの、俺がもたないよ。


「あれっ?松本じゃねぇ?」


うわぁ・・・何だよこのタイミング。
顔を合わせたくないと思ったばっかじゃん。


「あっ、若・・・」


俺の事を覚えていた人が、俺の事をかばうかのように前に立った。
俺も思わず右足を半歩下げ、身構えた。


「そんな身構えなくても、何にもしないよ。
何か用があって来たんだろ?
よかったら上がれよ。ちょっと話ししないか?」


学校以外では会いたくないと思っていたのに、決して派手ではない、普通の姿をしたこいつを見たら、ちょっと話してもいいかなぁって思った。


「じゃあ、お邪魔しようかなぁ?」

「おぉ、上がれ上がれ。
おいっ、お茶を持ってきてくれ」

「おっ、お邪魔しま~す」


何かこいつ、すげぇ嬉しそう。
こんな顔、初めて見るかも。


「若・・・」

「もう大丈夫だから。
あっ、お茶よりコーヒーのほうがいいか?」

「いいよ、気を使わなくて」

「何だったら、晩飯も食ってかねぇ?」


まだそこまで、気を許してないよ。

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