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知らない世界

第30章 恐怖からの解放

「このカバン、駅に向かう途中の交差点で信号待ちしていると、誰かわかんないけど切られたんです。
前の日も信号待ちしていると、誰かに後ろから押されて、車に引かれそうになってそれで・・・」

「ヤ○ザ相手に大立回りしたお前が、柄にもなくビビったわけだ」

「柄にもなくは余計です。
ただ相手がどこの誰だかわからない、何が目的かわからないから・・・」

「兄貴には何も言ってないのか?」

「留守にしてからだから、変に心配させてもいけないし」

「兄貴は土曜日には帰ってくる」

「はい、朝LINEがありました」

「まぁ、俺が教えなくてもそれくらいは知ってるわな。
よしっ、明日学校まで送っていってやるよ」

「でも・・・」

「だけど正直、怖いんだろ?」

「・・・はい」

「学校まで送って、学校が終わったら店まで、バイト終わった頃また店まで迎えに行ってやるよ」

「でも忙しいのにそんなことしてもらったら、申し訳ないし」

「兄貴に何かあったら、俺に言えって言われたんだろ?」

「はい・・・」

「何かあったらがその今だろ?
俺が来られなかったら、うちのものを来させるから」

「本当にすみません、迷惑かけて」

「何言ってるんだ。
お前は兄貴のものであり、俺達の可愛い弟分でもあるんだからな」

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