テキストサイズ

知らない世界

第30章 恐怖からの解放

ホッとしたのかわからないけど、ソファーにドサッと座り込んだ。


「どうした、安心したのか?」

「わからないですけど、力が抜けたって言うか、ホッとしたと言うか」

「あいかわらずお前は素直じゃないね。
それを安心したっていうんだよ。
まぁそういうところが可愛かったりするんだけどな。兄貴がメロメロになるのがわかるよ」

「やっ、やめて・・・ください」

「お~お照れちゃって、可愛いな」

「もぉ・・・」

「俺嬉しかったんだ、お前がまた頼ってきてくれて。
お前のために何かしてあげられるかと思うと、何か嬉しいよ」


肩をポンポンたたいた。


「さぁ、明日早く迎えに来ないといけないから、そろそろ帰るよ。コーヒーごちそうさん」


立ち上がり、玄関に向かう大野さんに、自分でもビックリするような言葉を口にした。


「あのぉ、このあと用事ありますか?」

「別に家帰って寝るだけだけど」

「早くから来てもらうのも申し訳ないんで、よかったら泊まってきません?」

「えっ、いいのかそんなことして」

「布団もありますから、でも・・・」

「大丈夫、何もしないよ」

「ごめんなさい」

「何謝ってるんだよ」


何で謝ったんだろう?




ストーリーメニュー

TOPTOPへ