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知らない世界

第30章 恐怖からの解放

「俺寝ますけど、そこそのままにしておいて下さい」

「おぉ、サンキュー。
ビール明日、買って返すからな」

「いいですよ、そんな事」

「補充しておかないと、兄貴に悪いから。
俺が泊まったこともバレるとマズイだろ?」

「それは・・・おやすみなさい」

「おやすみ・・・さぁ、俺も寝るかな」


何本目かの缶をテーブルに置く音がすると、大野さんも布団に潜り込んだ。
疲れているのに今日は全然眠れない。
自分の身に起きていることの恐怖か、大野さんが近くで寝ていることでかはわからないけど、心臓がドキドキしている。
俺は何度も寝返りをうった。


「何だ、眠れないのか?」

「うん・・・俺、何したんだろう。
誰かに恨みをかうようなことしたのかな」

「逆恨みってこともあるぞ。
お前は俺達と繋がっているからな」

「それじゃあまるで翔さんや大野さん達が、何かしたみたいじゃないですか」

「まぁしていないとは言い切れないな。
仮にも俺達ヤ○ザ・・・だからな。
逆恨みの1つや2つ、かうことはあるだろ」

「何か逆恨みなんて、納得できない」

「それが俺達の世界なんだ。
お前達、かたぎにはわからないよ」




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