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知らない世界

第30章 恐怖からの解放

朝、目覚めると大野さんはあのまま、座ったまま眠ったみたい。
俺は起こさないように、そっとベッドから出て、昨日の後片付けと、朝ごはんの準備した。


「おはよう」

「おはようございます。
ごめんなさい、寝られなかったですよね」

「大丈夫、ちゃんと寝られたよ。
洗面所借りるぞ」

「どうぞ。
下に新しい歯ブラシ入ってるんで使って下さい」

「おぉ、サンキュー」


顔を洗った大野さんと、朝ごはんを食べた。
大野さんはお味噌汁をじっと見つめだした。


「どうしたんですか?」

「んっ?・・・うん、味噌汁は毎日のように飲んでいるのに、何か凄く旨いなぁて」

「そうですか?ありがとうございます」

「兄貴がうらやましいよ・・・!?」

「ごめんなさい・・・」

「あっ悪い、お前に謝らせるつもりじゃなかったんだ。俺の方こそ・・・すまない」


俺、あの時あんな酷いことしておいて、ボディーガードみたいなことさせるなんて、自分勝手なことして・・・


「やっぱ俺、1人で行きます。
大野さんは事務所に戻ってください」

「潤・・・」


食べ終わった食器を片付けた。


「・・・!!大野さん?」


後ろからギュッと抱き締められた。

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