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知らない世界

第31章 一緒の安心感

「何で?何で翔さんがいるの?」

「いちゃ悪いのか?」


何で軽く不機嫌なんだよ。


「だって土曜日の夜、店に迎えに来てくれるって言ってたから」

「そのつもりだったけど、大野に俺のいない間に何かあったって言うから、俺がいるなら自分が迎えに行くより喜ぶからってさ」

「でも忙しいんだろ?
他の人に迷惑かけたら悪いだろ?」

「でも大野には頼んでただろ?」

「それは・・・何かあったら大野さんに連絡しろって翔さんが言ったんだろ?」

「なんなら大野と変わろうか?」

「嫌だ・・・翔さんがいい!」

「おっ・・・潤君、今なんとおっしゃいました?」

「・・・」

「言わなきゃここで降ろす」

「何だよそれ、ガキかよ」

「ガキでも何でもいい、言ってみろ?」

「・・・がいい」

「何だって?聞こえねぇよ」

「・・・翔さんがいい」

「いつもそうやって素直にすればいいんだよ」


手を伸ばし、俺の頭を優しく撫でる。
何だか子供扱いされてる気がしてちょっとムカつく。
でもちょっとムカつくけど、ちょっと嬉しい。


「翔さん・・・」

「んっ?何だ」

「・・・・・・会いたかった」


車が赤信号で止まると、サイドブレーキをかけ、
体を乗りだしキスをしてくれた。

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