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知らない世界

第31章 一緒の安心感

その声に振り返ると、翔さんが優しい笑顔で両手を広げていた。
2、3日会ってないだけなのに、何だか照れくさい。


「どうした潤」

「あっ・・・この辺・・・片付けなきゃ」

「いいよそんなの明日で。ほら潤・・・来いよ」

「うっ、うん・・・」


本当は嬉しいくせに、嫌になるくらい素直じゃないんだから・・・俺。
下を向きながら翔さんに近づく。


「・・・うわぁ!」


腕を掴まれ一気に引き寄せられ、ベッドに座る翔さんの腕の中にすっぽりとおさまった。


「潤・・・」


たった2、3日会わなかっただけなのに、何ヵ月もしてなかったように懐かしく思える翔さんの唇の感触。
舌を絡め合うと、さっき飲んだビールの匂いと煙草の匂いがした。


「翔・・・さん」


俺を抱き締めたまま、ゆっくりとベッドに倒れていった。
翔さんの心臓の音と温もりを感じていると、抱き締めながら俺の頭を優しく撫でた。
今なら何だか素直になれそう。
今の気持ちを素直に話せそうな気がする。


「俺さぁ、何度電話しようと思ったことか」

「うん」

「でも忙しいといけないと思って、我慢した」

「そっかぁ」


ずっと頭を撫でてくれている。

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