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大野さんの叫び声で男を見たときには、もう俺の腹にはドスが刺さっていた。


「潤！・・・テメェ、よくも潤を・・・」


大野さんは男を殴った。
何発も殴られ朦朧としている男に、俺を刺したドスを突き立てた。


「大野さん・・・ダメっ・・・刺しちゃ」


俺は声を振り絞った。


「チッ・・・潤、しっかりしろ！」


舌打ちをしてドスをテーブルの上に置き、抱き起こした。
翔さんは縛り付けた女を引きずりリビングに入ってくると、腹から血を流す俺の姿を見て、女を突き飛ばし俺に駆け寄ってきた。


「潤・・・潤・・・しっかりしろ。
テメェら、よくも潤に・・・許さねぇ」


大野さんに殴られ横たわる男をさらに殴り、女も容赦なく殴った。
大野さんがテーブルに置いたドスを握り、男に向かっていった。


「翔さんダメっ・・・ダメだよ刺しちゃ。
絶対にダメっ」


俺の言葉に思い止まり、テーブルを殴り怒りを露にした。
そして２人に近付き、胸ぐらを掴んだ。


「テメェら、潤の優しさに感謝しろよ」

「兄貴・・・兄貴」

「櫻井無事か？」


若い人達と、なぜかかずまでやって来た。


「兄貴、無事ですか？」

「櫻井、大丈夫か？・・・えっ、潤？」