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知らない世界

第33章 逆恨み

車2台で病院へ向かった。


「潤・・・潤・・・」


大野さんは病院に着くまでずっと俺に声をかけ続けてくれた。
かずも助手席からずっと見つめている。
翔さんはもう一台の車に乗っている。


「なぁ大野、どうして潤は櫻井のマンションにいたんだ?」

「はい・・・あのぉ・・・それはですね・・・」

「はっきり言えよ」

「いやっ、自分もよくわからなくて・・・」

「わからないのか?」

「はい・・・」


返事に困っている大野さん。
大野さんにとってはタイミングよく、携帯が鳴った。


『もしもし兄貴、大丈夫ですか?
はい・・・大丈夫です。
気を失ってるだけだと思います』


翔さんも脇腹を刺され苦しいはずなのに、それでもなお俺を気にしてくれている。
それから間もなく病院へ着いた。
俺も翔さんの車から降りるとすぐに処置室に運ばれた。


「大野、潤と櫻井、大丈夫かな?」

「若、大丈夫です。
潤も兄貴も大丈夫です。心配しないで下さい」


俺達を心配するかず。
肩を落とし、廊下の椅子に座り込んだ。
そこにまた大野さんの携帯が鳴った。


『もしもし・・・あぁさっき着いた。
今処置してもらっているところだ。
うん・・・うん・・・わかった。また連絡する』

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