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知らない世界

第34章 覚悟

「お前は櫻井さんと一緒にいたいのか?」

「はい」

「別れたくないのか?」

「翔さんのいない生活なんて、考えられない」

「そっか・・・」


大将はそのあとしばらく黙り、俺はお粥を食べた。
材料を切る音と、何かを煮付けている音、そしてその匂いがただよっている。


「あっ、ごちそう様でした」

「おぉ、全部食べれたな」

「はい、美味しかったです」

「それはよかった。
そのままにしておけばいいぞ」

「すみません・・・」


もう一度座った。


「潤、櫻井さんは組の若頭っていうのはわかっているよな?」

「はい、わかってます」

「あの組の2代目になるかもしれない人なんだ。この先あの人の身に何が起きるかわからない。
またケガをするかもしれない、ケガどころか命を落とすかもしれない。
お前自信も、また狙われるかもしれない。
そんな人をお前は支えていくことができるか?」

「俺の知らない世界、多分いつまでたっても理解ができないと思う。
どう支えていけばいいかなんてわからないけど、俺にできることは翔さんの身の回りの世話だけ。
それしかできない。
翔さんの為なら俺、これくらいのケガ何でもないです」





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