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知らない世界

第34章 覚悟

マンションに向かう途中で、翔さんに電話をした。


「・・・でない。忙しいのかな?」


時間をあけて、またかけた。


「でない・・・何で出てくれないの?」


何回もかけた。
つながったのは目の前に翔さんのマンションが見えたとき。


『あっ、翔さん・・・今どこ?』

『潤・・・まだ事務所だけど・・・』

『いつ帰る?』

『わっ、わからない。遅く・・・なる』

『いい、遅くなってもいい。話がしたい。
俺マンションで待ってるから。
遅くなっても俺、起きて待ってるから』

『おい潤・・・』


電話をきった。
近くのスーパーに寄り、買い出しをした。
こんなケガで、まともなものは作れないけど、いつもみたいに食事の支度をして待っていたい。

マンションに着くと、部屋の中は大変な事になっていた。
ソファーの上には脱いだ服が、クシャクシャに置いてあった。


「少し来なかっただけで、こんなにも散らかるもんなのかな?」


そんなことを思いながら、散らかった服をクリーニングに持っていけるように、袋に詰め込んだ。
掃除機をかけ、洗い物をした。


「いたたたっ・・・」


痛みを我慢しながら掃除をしていると、気が付いたら外は暗くなっていた。



  

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