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知らない世界

第35章 盃

「何だよ急に。
うん、大きくなくていいから、できれば自分の店を持ちたいなぁって」

「その夢叶えたいのなら、俺といない方がいい」

「何で?何でそうなるの?
翔さんといたって学校行って勉強して、今までと変わらねぇじゃねぇか」

「俺と一緒にいたら、今回のようにケガをするかもしれない。ケガだけならいい、命を落とすかもしれない。
俺といるがために、お前の夢が叶えられなくなるのは耐えられない」

「俺、翔さん達の世界はわからない。
多分いつまでたっても理解できないと思う。
でもそんな俺にできることはあるのか考えたとき、俺にできることは翔さんの身の回りの世話くらいかなって。
組の事は何もできないけど、翔さんが組の事に集中できるためのことなら俺にだってできる。
こんなケガくらいどおってことない」

「お前がケガしたりしたら、俺は生きた心地がしねぇんだよ」

「若頭が何言ってんだよ。
俺は翔さんとずっと一緒にいるって決めたんだ。
ヤ○ザと付き合っていくんだ、それくらいの覚悟はできてる」

「潤、お前なぁ・・・」

「翔さん、今からかずんとこ行こ」

「行ってどうするんだ?」

「いいから。 
行って俺の覚悟を見せてやるよ」

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