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知らない世界

第35章 盃

「かずのお父さん、いますか?」

「今、会合で出掛けてるけど・・・」

「少しの時間、大広間使ってもいいですか?」

「いいと思うけど・・・兄貴?」

「もうそろそろ話してくれてもいいだろ?」

「翔さん、先に大広間行って待ってて」


先に大広間に向かう翔さん。
俺は勝手にキッチンへ行き、勝手に物色して、湯呑みを2つ持って大広間へ向かった。
何事かと若い人達も大広間に集まっていた。
若い人達をかき分け、大広間の翔さんのもとへ向かった。


「あっ潤、何持ってるんだ?」


若い人達の声も、今の俺の耳には入ってこない。


「なぁ潤、そろそろ話せよ・・・ってお前!
何をする気だ」


キッチンから持ってきた湯呑みと、翔さんの家から持ってきたお酒を畳の上に置いた。


「翔さん、座って」

「だから何のつもりだって聞いてるだろ?」


何も答えず、俺は湯呑みにお酒を注いだ。
どれだけ注げばいいのかな?
とりあえず半分くらい注げばいいかな?


「ここでこんなことしようなんて、お前意味わかってんのか?」

「潤、やめろ!」


大野さんが止めに来た。


「来ないで、大野さん」

  

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