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知らない世界

第36章 さみしくて

あれからは俺の中では穏やかな日々が過ぎている。
車の免許もなんとか無事に取ることができた。
初心者マークをつけながら、練習で翔さんを送り迎えすることもある。
組では、俺がカチコミに行った頃のようにピリピリとしているようだ。
それについては翔さんは詳しく話してはくれない。
口出しをしてはいけないと思い、気にはなるけど聞き出したりはしない。
あの人の事だから、俺に余計な心配をさせたくないと思ってるんだろうけどね。


「その方がよっぽど心配になるっつうの」


翔さんの寝顔を見ながらスーツの準備。
ご飯も炊き上がり、朝食の準備。


「ケガもよくなったのに、最近ずっと・・・
シテくれないなぁ」


そんなことを考えながら、味噌汁のネギを切る。
忙しくて疲れてるから仕方ないけど、何て言うか溜まってきたと言うか、体がうずくと言うか火照ると言うか・・・


「・・・あっ、ヤバい!
たっ、勃ってきちゃったよ・・・どうしよう」


ネギを切り終え鍋の火を切り、トイレに行こうと振り返ると、静かに翔さんが立っていた。


「おはよう、潤」

「おっ、おはよう翔・・・さん」


俺は思わず背中を向けた。


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