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知らない世界

第37章 いやな客

『お~、若頭の相手らしいこと言うじゃねぇか。
もはやかたぎじゃあねぇな。
あっ、すまんすまん。失礼な事いったな』

『大丈夫ですよ。自分でも自覚してますから』

『すまないな、急に電話して。
潤、何があっても兄貴達にはあいつら指一本出させはしないから。
もちろん可愛いお前も、俺が守ってやるからな』

『ありがとうございます。
神崎さんも気を付けてくださいね』

『ありがとう・・・運転気を付けろよ。
じゃあな』


神崎さんみたいな人がいる中、恩を仇で返す人もたくさんいるんだな。
マンションのドアを開けると、翔さんは帰っていた。
俺は靴を脱ぎ捨て駆け寄った。


「潤、おかえり。
俺も今帰ったばかり・・・おいっ、どうした?」


俺は翔さんに思い切り抱き付いた。


「おいおいどうした急に。
あっ、またシテ欲しくなったとか・・・潤?」


ギュッと力強く抱き付いた。


「どうした、何かあったのか?」


俺は黙って首を横に振った。


「どうしたんだよ」

「翔さん・・・大好き」

「潤・・・俺もだ。愛してる」


俺を包み込むように抱き締め、優しいキスをした。
今日は何もしないで抱き合って眠った。




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