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知らない世界

第37章 いやな客

あれからさらに組の回りが騒がしくなってきた。
翔さんは詳しいことを教えてはくれない。
俺も気になっても聞くことができない。
ただ確実にケガをさせられてる人達が増えている。


「潤、何か心配事でもあるのか?」

「いや・・・別に・・・」

「別にって顔じゃねぇぞ」

「俺、みんなの近くにいるのに、俺には何もできない。それが何かもどかしく思えるんです」

「櫻井さん達の事か?」

「はい。翔さんは詳しくは話してくれない。
俺も聞くことができない。
でも最近、襲われてケガをさせられてる人達が増えてきたんです」

「俺も聞いている。
名張ん所がまた動き出してるんだろ?」

「大将には話してるんですね」

「話しは聞かなくも、俺の耳にも入ってくるんだよ」

「ねぇ大将、そう言えば翔さんに昔世話になったって言ってましたけど、何があったんですか?
あっ、聞いちゃいけないこと・・・でしたか?」

「そんな事ない。
実は俺もこの店やる前は、ヤ◯ザだったんだ。
詳しく話すと長くなるけど、まぁ色々あって櫻井さんのお陰であしをあらう事ができて、この店を持つこともできて嫁ももらえた」

「そうなんですか・・・?
嫁って、大将結婚してたんですか?」


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