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知らない世界

第37章 いやな客

ある日の夜、いつものようにバイトに来ていると、あの目付きの悪い男がやって来た。


「あっ、いらっしゃいませ。
どうぞ・・・今日はお連れさんがいらっしゃるんですね。
テーブルのほうがいいですよね」


さっき帰ったお客のテーブルを片付けた。


「どうぞ、お待たせしました」


テーブルに案内した。
今日は4人。
やっぱり誰もが目付きが悪い。
気のせいか、大将の顔つきも変わった気がする。


「ビールでよかったですか?」

「生4つで」

「はい、お待ちください」


ジョッキを準備して、サーバーから生ビールを注ぐ。
注ぎながら男達を見ると、俺の方を見ながら何か話している。


「やっぱりあの人、俺の事知ってる。
しかも他の3人も・・・
誰だ?俺はいつどこで会ってるんだ?」


どうしても思い出せない。


「お待たせしました。生4つです」

「ありがとうよ、潤君」


背中がゾクッとした。
どこだ?どこで会ってる?
思い出せ・・・思い出すんだ・・・


「あっ・・・しまった!」


あの男達の事を気にしすぎて、腕の力が抜けてビールを落としてしまった。


「潤、大丈夫か?」

「すっ、すみません」


慌てて割れたビール瓶を片付けた。


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