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「翔さん達もどこか出掛けるの？」

「いやっ、出掛けるわけでは・・・」

「兄貴、ありがとうございました。
落ち着いたら戻ってきます、絶対に」

「あぁ、何かあったら無理しないで、すぐに戻ってこい」

「この盃は、大切にします」

「えっ、神崎さん・・・どういう事？
この組、辞めちゃうの？」

「潤、黙ってろ」

「あいつらのもとには戻らないって、この組に、翔さん達に惚れたから、戻らないって言ってたじゃないですか。なのに何で・・・」

「お前には関係ない・・・」

「って言っても納得しないだろうな」

「するわけねぇだろ」

「神崎はこの組を抜ける訳じゃない。
名張の連中を説得するため、一度この組から離れるんだ」

「潤・・・」


神崎さんは白い布に包まれたものを見せてくれた。


「神崎さん・・・」

「こいつはずっと預りの身だったけど、今日正式にうちの組員になった。
うちの組のために、あいつらの元へ戻るんだ。
危険な役目を引き受けてくれたんだ」

「神崎さん・・・ごめんなさい」

「いいんだよ。
あの約束は絶対に守るからな。
だから戻ってきたら、一度お前の手料理食わせてくれよな。
あっ、兄貴すみません」

「いいよ。
こいつの料理マジで旨いから・・・待ってるぞ」

「はい・・・じゃあ」


神崎さんは出ていった。


「雅紀が待ってるんですよね。
気をつけて行ってらっしゃい」


かずの運転で俺達も出掛けた。


「潤、お前俺なんかより、ずっと組の人間みたいだよ」

「そんなことねぇよ」


待ち合わせ場所、雅紀と合流して、高校の時のように、思い切り遊んだ。